長文置き場

備忘録

【BLCD】愛しき人魚 感想

BLCD感想記事を書かなさすぎて書き方も忘れてしまったが、今回は書く。先月に「跪いて愛を問う」の特典トラック+フリトCDを聞いたのだが、これを除くとちゃんとBLCDを聞いたのはどうやら去年の10月らしい。その間特に過去作を聞くこともしていなかったので、実に4ヶ月ぶりである。

 

「お前は綺麗で優しい俺の人魚だ」

人魚の呪いを受けて生まれた彫師・海(うみ)は、
生まれながらに漆黒に染まる右目を持ち、醜い痣が右半身を覆っていた。
親からも忌み嫌われた痣を隠すように見事な刺青を入れ、
世を忍びながら生きる海だったが、インチキ霊媒師のミカギと出会いその日常が変わっていく――
バケモノと呼ばれた青年の、
生涯一度きりの恋。
コミックス描き下ろしの2人と2匹の甘すぎる日々も収録!
ひじき先生が贈る、チャラめインチキ霊媒師・ミカギ×呪われた孤独な彫師・海の一生に一度の恋がついにドラマCD化!

【ドラマCD】BLCDコレクション 愛しき人魚 | アニメイト

 

○キャスト

海:山下誠一郎

ミカギ:小野友樹

錦:榊原優希

クロ:田所陽向

 

ここ最近わたしがBLCDに関して病んでいたことを察していたフォロワーもいたかと思うのだが、まあ病んでいた。落ち込んでいた。山下さんの最新作が全然刺さらん。それをカバーするほど新作情報が多いわけでもなく。(攻め新規いつ????)もうBLCD卒業した方がいいんだろうな……とは今でも思っているが。

でもこれはそんな荒んだわたしの心を癒してくれる作品だったことを最初に結論として書いておく。マジで満足度高かった。久々にBLCD聞いて「ここ好き!!!!!!!!!!!」「あ~~~!!!!!!!!」「最高!!!!!!!!!」とベットでバタバタしながら聞いていた。

今まで山下さんの受け作品といえば最悪な男と魔彼の2強で、この牙城崩すの難しいぞ……と思っていたけれど、余裕でこの牙城崩してきましたね。何ならストーリーの取っつきやすさだったらこの2作超えてるから真っ先にオススメしてもいいレベル。BLCD慣れしてる人なら魔彼か最悪な男で、あまり慣れてないストーリー重視の人にはこちらがいいのではないかと思う。

 

とにかく海ちゃん半端じゃなく可愛くてビックリした。思わず「ちゃん」付けしてしまう可愛さ。可愛すぎてちゃん付けせざるをえないの三兄弟のスーちゃん、スタマイの亜貴ちゃん以来3人目である。マジで可愛い。何かもうとにかくすげえ可愛いんだよ!!!!!!!としか言えない。話し方は大人しく淡々としていて、やや低めで硬派な感じもするんだけど、それなのにめちゃくちゃ可愛い。本当に可愛い。低めで淡々としたローなトーンに可愛さ乗っけるのもう山下さんの十八番といっていいのでは?なぜそのトーンで乙女みたいな可愛さが出るんだ……。

最初から最後まで全編に渡って可愛かった。遊郭のシーンとかクライマックスとか明らかな聞かせどころでの可愛さももちろんあるんだけど、普通に会話しているシーンでも可愛さが炸裂しているので、ミカギが海を好きになっちゃう理由がすごくわかる。特殊な生い立ちを持つ割に擦れていないところがあるので、そのへんのまっすぐでウブな可愛さがすごくよく出ているし、ローテンションで淡々とはしているけれど決して感情やリアクションが鈍いわけではない(むしろ感情に対して素直)な感じがすごく丁寧に表現されていてすごく好き。やっぱり山下さんの十八番よなあ……。

 

それはそれとして遊郭のシーンはめちゃくちゃ好き。重めの話の割にリピポイントが用意されているありがたさ。「やっぱり俺じゃだめか……俺が化け物だから……」のところはこんな切々とした言われ方されたら、そりゃ次の瞬間ミカギ「全部脱げ」って言うわ……ってなる。「もっとしよう?」の可愛さも50000000000億点で最高だった……。相手をそそらせる言い回しめちゃくちゃ上手いよな……。

あとミカギのをしゃぶるシーンがあるんだけど、山下さんだったら本当はもっと派手に音出せるのに控えめだなと思ったんだけど、海ちゃんがそういうのに慣れてない子だからなのかな?そのあたりの調整も職人芸だなあと思いながら聞いてた。本当に頑張って大きいのをくわえている息遣いの方が前に出てきてる感じなあ!インタビューで触れられていた吐いちゃうシーンとか、猿轡のシーンの緊迫感とかはもちろんだけど、色々な部分で職人芸を感じられたのがすごく良かった。いや山下さんはどんな作品でアレセリフもSEも丁寧に作りこんでくると思っているけれども!

 

特殊な生い立ちゆえにほとんど人と関わってこなかった海がミカギと関わって、自分にとって大切な存在を見つける、ミカギに心を開いていく心情変化が丁寧に描かれていて、ものすごく聞きごたえがあった。ミカギが助けにきてくれて泣いちゃうシーンとか、ミカギを屯所まで迎えにいったときのシーンとか、普段は落ち着いて淡々としている海だからこそ感情顕わにするシーンにグッときたりした。

山下さんは明らかな聞かせどころとかクライマックスだけじゃなくて、日常シーンでも細やかで丁寧な芝居をしてくれるところが好きなんだけど(パワープレイ型じゃないのが好き)、それを改めて実感した作品だった。いやなんか、今まで山下さんの芝居に対して感じてきて「ここが好き」ってポイントがまるっと1枚に贅沢に詰め込まれた作品だったので、過去の自分が散々文章化してるな……って思っちゃって言及があっさりめになっちゃうんだけど!本当に良かった。

 

共演者の方も本当に贅沢で素晴らしくて「説得力がすごい……」と思いながら聞いていた。おのゆーとはロスバ以来2回目の対戦だったけれど、ロスバがあんまり刺さらなかったから、別の作品で再戦してほしい!と思っていたところのこれだったのでめっちゃテンションが上がった。何度聞いても新鮮に「カッコいい……」となる。ミカギは海に対して「綺麗だ」とか「可愛い」とかストレートでキザっぽい褒め言葉が結構多いのだけど、おのゆーの声だとめちゃくちゃ説得力あるんよなあ。それでいて、そう言われるだけある海ちゃんの可愛さとか綺麗さが山下さんのお芝居から伝わってきたのも良かった。

特にクライマックスのシーンが好き。ガチギレしている怖さとか(「怖すぎますよ」ってディレクションで言われたパターンもあったらしい)、「お前は綺麗で優しい俺の人魚だ」ってところの決まり感がすごくて、聞いてて頭の中でエンダーーーイヤーーーーが流れてしまった。

 

あとは未だに何で出てくれたんだ……と思っている加瀬さん!何度か話しているのだけど、大学時代に加瀬さんがめちゃくちゃ好きな時期があって、山下さんを調べている過程で同じ事務所の先輩だと知り、どこかで共演あったら嬉しいなとは思ってたんだけどまさかBLCDで共演するとは思わずビックリした。ドシンプルにめちゃくちゃ良い声だし重厚感があって作品に高級感が出ていた……。フォロワーさんも記事で書いていたのだが、メインキャストとは別録りだったのがものすごく残念で、このご時世を恨んでしまった。アニメでも名前を見るけど、メインは吹替畑の方だからそういう人とガッツリ掛け合いできるってめっちゃ貴重な体験だったろうになあと……。

山下さんの芝居でもよく遭遇する淡々とした口調に切々とした感情を乗せる芝居の面白さに気付いたきっかけは、実は加瀬さんだったりするので*1、淡々とした中に底知れなさとか狂気とかが含まれているお芝居は本当に素敵だなと感じた。あとマジで良い声なので、メインとは言わずともこれからもサブでちょこちょこ出てくださらないかなーと思ったり。

 

加瀬さんが別録りなのは残念だったけど、この作品における錦とクロの存在感はデカいので、ここの2人はメインと一緒に録れたようなのは本当に良かった!掛け合いがものすごく面白かった……!田所さん良い低音だったなあ。

東役の武田華さんもシンプルに良い女!!!!と思えるカッコいい声ですごく良かった!絶妙に聞き心地の良いトーンだった。

 

感情や心情の変化にスポットを当てて丁寧にじっくりお芝居が聞けることって意外とアニメだと多くなかったりするから、それを聞けるのがBLCDの良さだと改めて思った。面白い原作がその面白さを損なうことなく音声化されていて、脇も含めてキャストも素晴らしく、やっぱBLCD面白いなあと聞き始めの頃の気持ちに戻れた気がする。BLCD聞いてなかったら知らなかった山下さんの芝居の引き出したくさんあるし、芝居への解像度もずっと低かっただろうし、何より1年半もオタク続いてなかっただろうなと。一瞬の熱中で終わっていたと思う。そういうことも含めて、BLCD聞き始めの頃の気持ちを思い出していた。

本当に先月あたり結構病んでいたので、このタイミングで出る作品が変な作品じゃなくてよかったなと思った。また誰かにおすすめしたくなるくらいお気に入りの作品が増えてすごく嬉しかった。この調子で攻めの新規も欲しいな~~~~~~~~!!!!!!!!!

*1:ジョジョ4部のミキタカとかアイアンマンのジャーヴィスが好き