長文置き場

備忘録

君は雪間に希う ネタバレあり感想

 

 

mito-913.hatenablog.com

 

ネタバレなしの方は既に書いたので、こちらではガンガンルートのネタバレをしていく。攻略順も一応ネタバレになるっぽいので、公式サイトのキャラクターの紹介順で感想を書いていく。わたしは智成くんと与市が好きなので、そのへんの文量差は大目に見てほしい。

 

 

実際の攻略順は与市→國孝→錦次→智成→源十郎→桜太郎。 終わってみれば与市は後半にもってきたかったな~とかは思ったけど、桜太郎さえラストに持ってくれば自然な感じになるのでよしとする。

 

智成

ジャケットにもドーン!と描かれているくらいなので、真相に近いルートだし、めちゃくちゃ気合い入ってるルートだった。精神的に限界を迎えている紗乃を連れて江戸から逃げ出す展開マジで衝撃的だった。

個人的にプレイしていて1番楽しかった……!糖度も割と高めで(このゲーム比だけど)、混浴イベントとかニヤニヤできるシチュエーションも多かった。キス以上のこともやってんなっていうのが唯一わかるルートでもある。基本的に無口かつクールだけど主人公にだけ甘々で優しいとか、そんなの好きじゃんね!!!!!

主人公にだけ優しいし時には過保護になるあたり、多分元の持ち物が主人公の両親に関係したものなんじゃないかとは思ったけど、本当にそうで、実際に家族として過ごしていた形人だった。

 

智成くん、とにかく悲哀と中途のインパクトが強烈で、情愛よりも悲哀と中途の方が断然好き。1本気合いの入った中途エンドがあるので、最初これが悲哀だと思った。智成くんは紗乃が好きすぎて歪んでるくらいが1番魅力的に見えるところある。

中途エンドでは結局江戸に戻らず、江戸が壊滅しても2人で逃避行を続けるエンドなのだが、智成くんの江戸がどうなろうと、吉宗様や御庭番のみんながどうなろうと、紗乃さえいればそれでいいみたいな態度にめちゃくちゃゾクゾクした。紗乃が江戸壊滅にショックを受けているときに、「僕という共犯者がいるんだから大丈夫」「共犯者もいいけどもっと強い結びつきがほしい」とか迫ってくるの、絶対紗乃が自分を受け入れないわけがないタイミングなのわかっててやってる感が本当に最高。

結局逃げ続けたものの、人間と奇虚という種族による寿命の差が2人を分かつのもうおおおお!!!ってなった。紗乃への最後の言葉が「愛してるよ」じゃなくて「大好きだよ」なのが個人的にポイントめっちゃ高かった。

悲哀では全ての事件は解決したものの、智成の存在が不安定になって消えそうになってしまっているエンド。ここでの智成くん紗乃への執着ゴリゴリに出してきて最高。紗乃にとっては自分のことを忘れてくれた方が幸せになれるのに、それでも忘れないでほしいと紗乃に痕をつけていくのマジでたまらん。全体的に漂う仄暗さがグッとくるエンドだった。智成くんの紗乃への執着、ヤンデレというほど極端ではない感じが程よくて好き。

 

全体的にめちゃくちゃ楽しいルートだったな~~~!!智成くんは他のルートでもチラホラヤキモチ妬いたり紗乃への過保護が出てくるところ可愛い。あと小林裕介さん本当に声が可愛いな。わたしの思う「可愛い声」をドンピシャでついてくるのでいつ聞いても「可愛い~~~~!!!!」ってなる。ハスキーさと響きの柔らかさのバランスがマジで絶妙だなと思う。

 

國孝

1番真相に遠いルートだったかな?でも1番恋愛してる感のあるルートでもあると思う。事故チューとかベッタベタなシチュも多い。このゲーム結構どこで2人が両想いになったのかハッキリしないところがあるんだけど、國孝ルートでは御庭番のみんなから國孝が疑われる展開があるので(しんどかった……)、そんな中で一途に自分を信じて一緒にいてくれたらそりゃ好きになるわな!って思った。

それとこのルートではこまめが大活躍してたのも好き。情愛と悲哀の分岐もこまめにまつわる選択肢だったし。國孝がこまめから嫌われてるのって、こまめによく効くけど激痛な薬を塗ってあげてたからなの不憫……。

あと國孝の元の持ち主は高本家という家の次男が愛用していた煙草入れなんだけど、これ与市の持ち主と微妙に関係するので(國孝の持ち主の兄が与市の持ち主の婚約者)、みんなの元の持ち主ってそれぞれリンクしてるのかと思ってたら別にそんなことなくて拍子抜けした。

 

結末だけど、悲哀は例えここが地獄だとしてもお前と一緒ならそれでいいエンドかな?ちょっと状況がよくわかりにくいエンドだった……。

情愛エンドは記憶も心も取り戻した國孝は人間に戻って、寺子屋を開きながら2人で幸せに暮らしていくエンド。他のキャラたちも押しかけてワイワイしていたので楽しかったなー!

 

与市

奇虚の中で唯一最初から記憶を持っているキャラクターなので、変化球感のあるルートだった。わたしは1番最初に攻略したけど、何人か攻略してある程度パターンを把握してから攻略する方が楽しいと思う。

与市は恋愛過程が楽しいというより、キャラクターと話がめっちゃ良いって印象。糸が見えるせいで常に人の顔色を窺ってきた紗乃が、奇虚ゆえに糸が見えず常に正直な物言いをする与市と関わることで変わっていく流れなのだけど、ストーリーでやりたいことが明確ですごく好きだった。それゆえ与市は最後まで糸が見えないのだけど、この展開は与市ルート単体で見ればめちゃくちゃ好きだけど、「結局なんで与市だけ糸が見えなかったの?」という謎が最後まで解明されないまま終わるので、そこはちょっとモヤモヤが残る。あと記憶を持っていたのも何か意味があるのかと思ったら、単に儀式が失敗したせいらしくて、陰陽師がドジっただけかーい!ってなる。

与市の元となった櫛は持ち主から一旦は愛されたものの、結局捨てられ売り飛ばされてしまったので、もう人間の都合で振り回されるのも捨てられるのもごめんという気持ちが強く、それもあってか割と早い段階で人間味も情も感じられたな。紗乃に「糸が見えないのでまだ心はないんです!」と言われたときの、「どうしてあんたに心がないって決められなくちゃいけないの」と怒ってしまうあたりは、めちゃくちゃ人間味あった。

 

結末でいうと、与市の悲哀もだいぶ好き。事件は解決したものの、紗乃が精神崩壊して廃人になってしまうエンド。「あんたに汐月のような思いはさせない」と一生添い遂げようとする与市の献身ぶりと一途さが切なかった。あとここでの静かに淡々と与市を責める智成くんがめっちゃ怖い。

情愛ではとにかく汐月と和解できたのがよかった。愛された記憶と捨てられた記憶がある分、与市は1度認めた相手に対する情が深いと思う。あとつっけんどんな口調が大きく変わるわけではないけど、声色や言い回しがすごく柔らかくなって愛情が滲み出ているのと(こういうの山下さんの十八番だと思う)、猫みたいな甘え方するのがめっちゃすき。

 

源十郎

源十郎ルートはみんなでワイワイするシーンがあったのがめっちゃ好きだったな!源十郎をかごで運ぶシーンのわちゃわちゃ感めっちゃ面白くて声出して笑った。

あと天下のサトタクを使っておいて多分糖度は一番低い。かごの中でのハプニングとかあったけど、キスするのもプロポーズしてからだったし、これは武士っぽい性格ゆえなんだろうな……。それと町の人に好かれてるのも元からではなくて、日記に失敗と対策をしたためて好かれるよう努力していたのも真面目で可愛い。でもサトタクボイスは糖度あろうとなかろうと良いということがわかるルートでもある。声が良い。

國孝ルートとは別の意味で閉塞感があるというか、半蔵に町中に悪い噂を吹聴されて自由に外も出歩けないし自分の屋敷に引きこもるしかないもどかしさとか、持ち主が悪人だったり、辛いシーンが多かったな……。与市もそうだけど城下町組はどっちも持ち主とのエピソードに癖がある。

そのせいもあって源十郎が落ち込み気味になり、それを紗乃がめっちゃ気にするんだけど、ここで与市がめんどくさいとか言いながら源十郎のことを気遣っている素振りを見せるのがめちゃくちゃいい。やっぱり与市って情があるんだよなあ。

 

他のキャラの悲哀ってこれはこれで好きみたいなパターンが多いんだけど、源十郎の悲哀はとにかくキツかった。半蔵エグい。源十郎の体乗っ取って御庭番の仲間や紗乃を手にかけていくの、源十郎の1番嫌がることをしてやろうっていう執念がすごすぎてキツい。マジでプレイしていて辛かったので源十郎は情愛一択。

 

錦次

錦次さんはルートプレイ前と後で1番印象変わった。いわゆるお色気年長者枠で、こういう感じ興味ないんだよなーと思っていたのだが、ルートをプレイするとおもしれー人であることがわかるので、めっちゃ好きになった。桜太郎との漫才が面白い。

与市ほど露骨ではないものの、紗乃に対してはビジネスライクな塩対応で、本当に両想いになれるんか???と思いながらプレイしていた。そしてシチュエーションが遊郭への潜入捜査で、結構わかりやすく紗乃がピンチに陥るので、最初の塩対応からピンチには駆けつけてくれる錦次さんめっちゃ良いな……ってなった。

 

錦次さんも悲哀エンドがめちゃくちゃ良くて、まず錦次さんと事件の黒幕である阿国は、生き方に持ち主の影響を強く受けている(持ち主の想いに縛られている)という点では同じ立場っていうところが良い。

それで悲哀だと紗乃も力の使いすぎて宵禍になってしまい錦次たちに襲い掛かるものの、とどめを刺す手前で正気に戻って錦次さんに自分を殺すように頼む。そして紗乃を殺してしまったショックで錦次さんも宵禍になり「来世でもまた僕と恋仲になってください」と言い自害するエンドなのだけど、このシチュエーション絶対好きじゃん!!!!しかも歌舞伎役者っぽい感じの幕引きなのもすごく好き。

情愛では、最初は塩対応だったのが独占欲強めの感じになっててめっちゃニコニコした。可愛い。

 

桜太郎

智成以上に攻略制限キツいとかyouは一体何を隠してるの???と思っていたら、お前が黒幕かーーーーい!!!!!!だからcvが斉藤壮馬だったのか……?????

智成くんのルートに出てきた苦無でおや……?と思ってはいたけど、源十郎みたいな本人は悪人ではないけれど持ち主が悪人だったパターンかと思いきや、桜太郎自身がゴリゴリに悪役だった。自分が宵禍だとバラすシーンマジでビビった。

思い返せば智成くんルートで、京士郎さんが殺されたときに三春さんと気絶していたのとか、城に設置していた結界を作るための呪物が1つ壊されたのとか、やったのかお前かよ!!!ってなった。

 

桜太郎は本当の「桜太郎」の儀式を妨害して体を奪ったり、比弥衛と組んでたくさんの人を殺してきた大悪党なわけなんだけど、こういうの納得できる結末に着地させるのすごい難しいし、外したらすごい陳腐な感じになるんだよなーと思ったら、心配してた通りの微妙な着地点になってしまって何だかなと思った。情愛エンドでの桜太郎の処遇はさすがにあまりにも甘々すぎて話に乗れなかったなあ。

御庭番のみんながあっさり許しちゃうのもアレだったし、智成とは殺した側と殺された側なんだからもっとちゃんとガッツリやりとりあってほしかったし。なかなか不満点が残る話だった。

悲哀エンドだと、桜太郎側から見た紗乃とのやりとりとか桜太郎の複雑な心情が描かれていて、これは結構好きだったかな。本編だと冷酷な面が前に出てきていて、裏で何を考えてたのかっていうのが全くわからなかったので。桜太郎に手を貸すと決めた紗乃に対する智成の「君の愛ってそういうことなの!?」って問いかけるシーンはグッときたし。まあ逃避行エンド見てると、若干君がそれを言うかって思わなくもないけど笑

全体的にこのルートはうーーーーん……って感じだったな。これだったら黒幕とかじゃなくて裏表ない明るいお調子者キャラでよかったのになあって思ってしまった。

 

まとめ

全員攻略後の隠しルートとかあったりするのかな?と思ったけど特になく。でもそれぞれの情愛エンド後のイラストが解放されたのはすごくよかった!!どれも微笑ましくてニコニコした!

辛口っぽいことも書いてしまったけど全体的に面白かったし、買ってよかったので、FDとか出たりしないかなあとか期待してしまったり!あとはまだ聞き終わっていないドラマCDを聞くぞ!