長文置き場

備忘録

2022/4/24 雑記

怒涛の現場ラッシュが終わり、久々にのんびりとした土日を過ごしている。また来週から現場ラッシュ月間が始まるが……。

 

 

85.5区の最終回に山下さんがゲストで出演するとのことで見ていた。

声優がバラエティをしている姿に全く興味が沸かないので、こういう番組ってほぼ見ないんだけど、86はちゃんと真剣に作品の話をしてくれて好きなので最初から最後までちゃんと見た。今まで入ってなかったチャンネル会員にもなった。

太っ腹にも先週のイベントの映像を出してくれて、それを見ながらイベントや作品を振り返るという流れだった。やっぱり現地にいるときは目の前で起こっていることに圧倒されすぎて、落ち着いて見返してみて初めて気付くようなことが短い映像の中に色々あった。イベント参加直後だとまだ熱気を引きずっているので、1週間後のほどよく熱気が冷めた今見返すというのもちょうどいいタイミングだった。

生アフレコのときにちばしょがポケットに手を入れていたのとか*1、山下さんの耳の後ろあたりに右手をあてるのとか、気付いていたけどあれが癖とまでは思い至れなかった。こういう気付きがあるの面白いな。オタクとしても声優さんがアフレコしているときの姿はそうそう見る機会ないし(朗読劇とはまた違うよね)、キャスト自身も自分がアフレコしているときの姿を見ることはないそうなので、アフレコ中自分はこういう表情してるんだ!癖なんだ!と言っていた様子は面白かった。

生でお芝居をするといっても、絵がある生アフレコと、絵がなく自由度の高い朗読劇では違う技術が要求されていると思うから、生アフレコ本番一発で噛まずにちゃんと絵にはめるのはプロの技だなあとしみじみ思った。

イベントを振り返りつつ、バラエティコーナーもしつつ、最後はワイワイとした雰囲気で終わったのだが、イベントのときよりも寂寥感が強くてビックリした。アニメが終わるときならともかく、アニメのニコ生が終わる時にこんな気持ちになるんだ……と。正直85.5区は山下さんがゲストにきた回しか見てなかったのに。

 

86のイベントに参加したときに、夜の部の最後の挨拶でキャストの複数人が涙で声を詰まらせながら挨拶をしていたことに驚いた記憶がある。みんなそれぞれ売れっ子だから担当している役は多くて、決して新人が初めて掴んだ大きな役というわけでもないのに。それなのに1つの作品にここまで愛情を注げるんだなと。

そんなことをニコ生を見て今度は自分自身にも思った。言ってもわたしは周りと比較するとそこまで86についてはガチ勢ではなくて、考察もできないし、ただただすげー……と圧倒されていただけの視聴者だった。なのにキャストや制作陣の熱にあてられたのか、この作品の展開の終わりを見届けることにすごく寂しさを覚えている。

 

近年作品を見ることを「履修する」と表現するけれど、履修という表現だと見終わることを目的にしているというか、1回見て一通りどんな話なのかを知ることができたら終わりというニュアンスをすごく感じる。何度も見返して話を深く味わい考えるといったニュアンスは「履修」という言葉にはないと思う。これはサブスクの普及で過去から現在に至るまでの膨大なコンテンツに触れられる環境が整った現代特有の表現だなと思う。次から次へと新しいコンテンツが生まれるから、1つ1つのコンテンツにじっくり腰を据えて向き合っている余裕がない。どこか「こなす」ような感覚になってしまう。

このあたりはここ最近よく考えていることで、山下さんのオタクになって1年半ほどが経っているけれど、作品に向き合う姿勢がどこかただ「視聴済みの作品を増やす」ことになってはいないかと。役者以上に視聴者たる自分がたくさんの作品に触れていく過程で「こなす」感覚になっているんじゃないかと考えていた。もう少しゆっくり立ち止まって1つの作品を味わう余裕を持ちたいし、作品に対する咀嚼力を鍛えたいなあと思う。なんか作品に向き合う筋肉弱ってるよなあ。ここ数年アイドルのライブに行くことだけがオタ活の全てだったからと言い訳させてほしい(?)

なんかこれ山下さんの作品に向き合う姿勢に影響されてる感じめっちゃするな。作品の一視聴者、読者として山下さんの姿勢は憧れるんだよねえ。わたしは無駄にダラダラした文章を書きがちなので、山下さんのシンプルな文章で核心をバシッと突ける読解力とか着眼点とかそういうのめっちゃ欲しい。読解力あるオタクになりてえなあ!!!

 

アニメ86の展開の終わりを見届ける過程でこういうことをめっちゃ考えていたし、考えさせられた作品だったな。そういう意味で出会えてよかったと思える作品だった。

 

 

話は大きく変わって。

 

わたしのツイッターを見てくれている方は知っていると思うが、ここ数日後宮の烏面白すぎbotになっている。これしか言えない。現在6巻の途中まで読み終わっている。こんなに爆速で読み進める予定ではなかったのだが……。

元々原作の名前自体は知っていて、表紙がすごく綺麗で気になっていたので、いつか読みたいと思っていた作品だった。そんなところにアニメ化のツイートを見かけたのだが、何というか話題性全振りのキャスティングじゃなさそうなところ気に入った!って思った。それで俄然気になったので原作を購入することにしたらドハマりしてしまった。

一言でいえば後宮のお悩み解決ものである。原作は全7巻でどの巻も4編の中編からなっている。ひょんなことから不思議な術を使える寿雪のもとに時の皇帝である高峻が訪れ、彼の依頼を解決したことから寿雪のもとに次々と依頼が舞い込んできて……というお話。単純にお悩み解決ものとして後宮の人間模様が面白いし、出てくるキャラクターたちはみんな重たい過去を持っているので、そういう縦糸の部分もすごく面白い。

寿雪は招魂という死者の魂と一度だけ交流できる術が使えるので、死者が絡む話が多く、1巻や2巻はどれもしんみりして切ない中編ばかりで好き。3巻以降だと本筋が本格的に動き出すので、しんみりとは違う感じになってくる。

 

まだ最終巻まで読んでいないので、寿雪と高峻の関係がどのような結末を迎えるのかはわからないけれど、6巻まで読んでも2人があまり恋愛恋愛していないのがいい。もうここまできたら友達エンドか、この関係性に名前はつけられないけどかけがえのない人みたいな終わり方してほしいなぁ。烏妃であるがゆえに孤独の運命を背負っていた寿雪を救うのが結局恋愛であるってなったらありきたりすぎてつまんないなと思ってしまう。これはわたしの好みでしかないが。

ちなみにわたしのお気に入りキャラクターは2巻から本格的に登場してくる温螢(おんけい)。温螢はみんな好きでしょ!?衛青は終始寿雪にツンツンしているのだが、温螢は柔和で穏やかで忠誠心の強い寿雪の護衛。ザ・従者。温螢のキャストめちゃくちゃ気になるよぉ……。多分温螢出るところまではアニメやると思うので。温螢、淡海という2人目の寿雪の護衛が登場すると更に魅力増すんだけど、淡海出るところまではやらなそうだなあ……。護衛コンビめっちゃ好き。

 

原作を踏まえた上で改めてティザーを見てみたのだが、寿雪の声がちょっと意外だったことを除けばみんなめっちゃイメージ通り。寿雪もうちょっと威厳ある感じなのかと思ったら思いきり若々しい少女の声でビックリしたけど、でも寿雪の成長物語でもあるのでこのアプローチでも納得。

これ言ったことなかった気がするんだけど、実は八代さんのツンツンした演技が結構好きである。衛青は高峻の忠実な宦官なのだが、そういう忠臣としての側面よりも寿雪へのツンツンぶりが印象に残るキャラなので(寿雪に接するときは基本不機嫌)、めっちゃ好きな感じになりそうだなあ。

あとティザーの時点で作画の美麗さが半端じゃないので、何とか最後まで美麗さを保って完走してほしいな……。制作間に合わなそうだったら総集編で時間稼ぎしてくれてもいいので!(?)あと原作が中編集とはいえ、どのエピソードも本筋に関わることばかりなので、エピソードのカットはされないと信じたい……。

 

アニメを見たら更にドハマりしそうな予感がするので、10月が本当に待ちきれない。もう10月までスキップしたい。

*1:これだけだと態度悪そうな感じがするが、生アフレコでシンを演じるのにはエネルギーがいるので自分が1番リラックスできるポーズでいたかったとのこと