長文置き場

備忘録

青春舞台「1518!イチゴーイチハチ!」 感想

亘環は中学硬式野球の元投手。
彼女が進学したのはスポーツと部活動が盛んな私立松栢学院大学附属武蔵第一高校。
この川を渡れば何か新しい『変化』が起こるかもしれない――
3年生の春、生徒会長となった環は新入生二人を生徒会に勧誘する。
一人は地元の後輩で将来の夢や目標に迷う女の子、もう一人はかつて自身が野球をやめるきっかけとなった対戦相手の男子選手。
数年ぶりに再会した彼は故障した肘を手術してなお野球の夢を諦めきれないでいた。
『生徒会執行部も楽しいぜ?』『人を変えることが自分を変えるんだ』
新しい自分になるため一歩を踏み出す勇気 その背中を押す優しさ
これは高校生たちの小さな『変化』の物語。

https://1518stage.com/

 

 というわけで1518観劇してきたので感想。初日と千秋楽の2公演観劇して、初日は原作未読、千秋楽は原作全巻既読の状態で行った。最初は原作履修するつもりなかったんだけど、初日見たらめっちゃ「原作読みてえー!!!」って思って全7巻だったし、hontoでクーポンあったので買ってしまった。

 千秋楽後なので舞台のネタバレも原作漫画のネタバレもあるよ。あとまだ配信が買えるので興味ある方はぜひ!初日公演のアーカイブ期限が3月3日で、千秋楽が3月9日になってます!

twitcasting.tv

 

ストーリーについて

 結論から言うと、めちゃくちゃ面白かった!!!!

 「夢を諦めるところから始まる物語」という触れ込みで既におっ?と思っていたのだが、実際すごく面白くて、冒頭からグイグイ引き込まれた。

 

 原作7巻分をどうやって2時間弱の舞台にまとめあげるんだろうと思っていたのだけど、マジでこの舞台、再構成の仕方が上手い。原作で言うと1巻と3巻の話をメインにしつつ、4巻以降のシーンや舞台用の新規シーンを追加してキャラのバックボーンをわかりやすくしている。もちろん原作自体の面白さあってこそだけれど、この舞台が面白かったのは再構成の上手さもだいぶ貢献していると思った。

 正直この原作はめちゃくちゃビッグタイトルというわけではなく、最初からシリーズ化を視野に入れているほど予算が高そうなわけでもなく、原作のストック的には第2弾もできるけれど、単発で終わるかもしれないっていう状態で。でもここで終わってしまったとしてもキリが良く後味爽やかで、次回に続けることも可能というまとめ方をしていたのは本当にすごいなって思った。

 1番思ったのは最後に公志朗が幸に押し花をプレゼントするシーン。原作だともっとめちゃくちゃ重要なシーンにプレゼントするものだったからそれをここにもってくる…!?と思ったけど、単発で終わっても次回に続いてもいいようにするためかと思ったらめっちゃ納得したし再構成上手すぎ…?って思った。

 

 最初環のシーンから始まるので、公志朗と環のW主人公みたいな感じなのかと思いきや、実は原作だと幸がめっちゃ主人公ぽかったり。あの冒頭の環のシーンって原作で言うと結構後半の方にあるんだよね。でも環で始まり、環で終わるからこそ、2時間で綺麗にまとまってるように見える。脚本家の方の手腕お見事としか言えない。

 公志朗役の辻本くんが主演で座長ということになっているけど、群像劇の色が強いので、見てみるとそんなに主人公という感じはしない。みんなが主人公のような作品だからこそ、舞台用に再構成しやすかったんだろうなー。宇賀神くんは4巻からの登場だったり。違和感なさすぎて原作読んで登場めっちゃ後じゃん!!!!ってビックリした。

 

 それでお話は、夢を諦めることから始まる物語の通り、肘の故障で野球を諦めざるをえなくなった烏谷公志朗が生徒会で新しく打ち込めることを見つける話。

 中身自体は王道青春ものなのだけど、1番最初に挫折するところからスタートしているのと、生徒会がメインということで、直球で王道の話なのにめちゃくちゃ新鮮に感じた。この生徒会もアニメとかによくあるトンデモ権力の生徒会じゃなくて、現実に沿って描写されている(実際に原作者の方が学校に取材しに行っているくらいなので)。

 話のクライマックスが生徒総会とかなかなかないよね。しかもやってることめっちゃ地味だし!でも生徒総会ってこんな感じだったなぁ懐かしいなぁと思ったし、高校生の頃何の時間なのこれ?って思ってたことも、実は運営している生徒会には苦労やドラマがあったんだなとこれを見て知った。

 でもこういうリアルな生徒会のドラマって見たことがなかったからこそ、どうなるんだろう?とすごくハラハラした。票数が生徒数と合わなくて時間が押したから、みんなで撮った写真や映像を見せられないってだけの地味な出来事でこんなハラハラすることないよなぁ。

 

 割とリアルに沿っているので、キャラクターもそんなに強烈で個性豊かな面々というわけではなく、だいぶみんな爽やかで良い人すぎるなってくらいで(でもそういう悪人が出てこないところが良い)、薄味なキャラ付け。だけど誰も埋もれていなかったし、無駄なキャラクターがいなくてすごく良かった。

 

 この話は「諦める」というワードが出てくるのだけど、一般的には良い意味ではない言葉だけれど、この作品で言う諦めるは、執着を断ち切って新しいスタートを切る的な前向きな意味合いだと思った。公志朗の肘のケガとか、環がもう男子と対等には戦えないこととか、この先執着し続けたところでどうにもならないことであって。諦めないことが良しとされがちだけど、世の中には往々にして諦めて次のスタート切った方が道が開けることも結構多い。

 それを描いていることがすごく好きだなぁと思ったし、今まで華々しい活躍をしてきた少年少女の次の道が地味な生徒会っていうのもまた良いよね。学園もので青春といえば部活動か恋愛かみたいなところがあるから、そのどちらでもない地味に見えるような場所でも青春はあると描いてるところがすごく好感を持てた。

 まあ舞台化されていない原作の話ではガッツリ恋愛パートもあるのだけど、あくまでメインは生徒会活動という軸は変わっていないので(恋愛はこの作品の核ではないと思う)、やっぱり面白い切り口の作品だなという印象は変わらなかった。

 

 あと漫画原作の舞台って2.5次元ブームとか見ると華々しくて演出にお金もかかっていてもっと大箱で……という印象だけど、小劇場でシンプルな演出でひっそりやっている感じが月見草な生徒会活動にリンクしていてそれもすごく好きだった。これはこの規模感でやる意味がある作品だなぁと思った。

 

 原作を全巻読んだのだけど、4巻の環の弟と野球する話とか、7巻の生徒会長選挙での公志朗の演説とかマジでこの先も舞台化してほしい!と思える作品だった。本当に面白かったのでまだ原作続きがあるのにここで終わっちゃうのもったいないなー!

 この舞台、オタクと同じくらい原作者の相田裕先生がめっちゃエンジョイしていらっしゃって、環役の椿梨央ちゃんが「相田先生毎日来てる」って昨日言っててめっちゃ笑った。そのことをフォロワーに話したら、「そんなに作者の方も楽しんでいるなら、原作で描けなかったその先の話を、原作者脚本監修で舞台化しちゃうのもありだよねー」と話していて、そういう展開も全然ありだよなぁと思った。

 

辻本くんの話

 まあブログとツイッター見ていただければお分かりの通り、半年以上若手声優界隈でエンジョイしていて、ここ10ヶ月くらいの辻本くんやボイメンの動向マジでわからなかった。去年のツアーは東京だけ行ったけど。それくらい現場を強制的に取り上げられる中で熱量をMAXで維持するのって難しいことだなぁと思った。

 とはいえ熱量MAXを維持するのが難しいというだけで、別に嫌いになったわけでもないし、CD発売するとか現場があると言われればどんなもんかチェックしたくはなる程度の興味関心は残っていた。そんなふわふわしたモチベーションの中で、辻本くんが主演の舞台があると聞いて、まぁこれ1回は行っとかなきゃダメっしょという気持ちでチケットを取った。

 

 で、演じる役がこれが元々あった原作のキャラクターと思えないくらい辻本くんへのあてがきみたいなキャラクターで。いやこんなことある?????って今でも思っている。舞台化された範囲でもあてがきすぎてやばいのに、7巻でまた更にあてがき指数跳ね上がってくるから腰抜けた。

 とはいえ、今年30歳になる辻本くんが高校1年生の役?コスプレになっちゃうよ???と思っていた。それに舞台前後の時期は二次元のアイドルの推しのソロ曲とか、彼のいる生活で頭がいっぱいだったので、そんなに期待を上げずに行った。でも話は面白いだろうから、そこを楽しみにしていようくらいのノリ。

 それが、この半年ほどですっかり声優オタクに染まりきったと思っていたのが、現場行って生で推し見ると一瞬でアイドルオタクの感覚戻ってきて笑っちゃった。あれだけビジュのモチベ上がらんとか言ってたのに、出てきた瞬間「いや顔綺麗すぎだろ」って思った。コスプレになっちゃうよ~という懸念も一瞬で消えた。オタクチョロすぎか?まあ初日は頑張っても就活スーツに見えちゃってたけど……千秋楽は慣れた。

 

 しかもマジで役があてがきすぎるので、最初からエモの洪水すぎて溺れそうになった。もう公志朗見てるんだか辻本くん見てるんだか、これは演技なのかただの辻本くんなのかよくわからなくなっていた。いや野球してるシーンの顔楽しそうすぎでしょ。めちゃくちゃ幸せそうなイキイキとした顔をしていて、あんな顔見たらもう辻本くんがこの作品と役に巡り合えたこと、それだけでこの舞台には価値があるという気持ちになった。マジで感慨深かった。あとお父さんに野球を諦めること告げるシーンは、マジで辻本くんどんな気持ちで演じてるんだろうこれ……ってなってキツかった。

 舞台の見方だったり、アイドルではなく一役者の見方としては絶対に正しくないのだが、もう有無を言わさぬ力があった。自分とものすごく近いキャラゆえに役作りがしやすいとか、もうバフも履いている下駄も半端ないことになっていることは差し引きして解釈するのが正しいとは頭ではわかっていたのだが、んなの無理だよバーーーーーーーカ!!!!!!声優オタクになって自分なりに役者の見方というものを感覚として覚えたはずなのに、辻本くんの前では全く無意味になってて笑えましたね……判定ガバガバオタクでしかない……。役者として優れた演技力があるかはこれほどまでにあてがきな役では何とも言えないが、理屈ぶっ飛ばして魅力がものすごいとしか言えねえ。

 

 千秋楽とか特にヤバかった。最後にみんなでテーマソングを歌うシーンがあるのだが、辻本くんがキラキラスマイルをしながら目が涙でうるっうるだったので、いやなんて顔してんの!?!?!??!って思ってもらい泣きしそうになった。耐えた。それまで硬派で緊張で歌も上手く歌えないような野球少年を演じているのに、このシーンになるとマジキラッキラなので、やっぱりこの人はステージで歌って踊ることを生業にしてる人なんだ……と思った。てかこのテーマソング大好きすぎて音源がほしい。どうにかして音源がほしい。

 

[追記 2021.2.26]

自分の無知さにドン引きしたんだけど、オリジナルソングじゃなかった。ちゃんと原曲あったしめっちゃ有名な曲だった。TLでやたら見かけてたのはそういうことだったのか。

www.youtube.com

[追記ここまで]

  

 それでラストのカーテンコール。いやもうヤバかった。正直幸役の菊池愛ちゃんや、環役の椿梨央ちゃんの挨拶の時点で結構涙腺来てたけど、あの辻本くんの挨拶わたしよく泣かずに耐えたなと思う。めちゃめちゃ涙目にはなったけど!!!!周囲めちゃくちゃすすり泣きの声聞こえたけど、これは泣くわな……って思った。

 まあ辻本くんのことなので喋り出したら秒で泣くだろうなとは思っていたが(そもそも本編の時点で涙目だったし……)、ぐしゃぐしゃに泣きながら「僕も高校時代に肘をケガして野球を諦めたので、野球を諦めるシーンはやる度に心がえぐられそうになって……」と話していて、ほんっっっっっとに泣きそうになった。本当よく耐えたな。ここからは泣くのを耐えるのに必死で半分挨拶が入ってこなくなった。もう辻本くんのオタクなら、辻本くんの野球愛とか、今になって野球少年を取り戻してる感じとかなんかもうめっちゃ知ってるじゃん!?でもその裏にはこういう挫折のエピソードがあったと本人の口から聞かされたらそりゃ泣くんだよなぁ……。

 

 だからこそ挫折しながらも新しく打ち込めることを見つけた元野球少年の役に巡り合えたことが本当に良かったし、公志朗が生徒会という新しくやりたいことを見つけた姿を見ると、辻本くんもボイメンという10年以上も打ち込めることを見つけられて良かったな……と同時に思いを馳せてしまう。こう言ってしまうのはアレだが、辻本くんの野球少年としての挫折とか、教師志望だったけどそれもやめた、ということがあってこそ、我々オタクは辻本くんに巡り合えているわけで、本当にこの仕事選んでくれてよかったなあ……。

 辻本くんもこの挨拶でこの挫折が財産になったと語っていて、もうマジで良かったなぁ……となった。あと挨拶終わった後マジで良い顔してた。

 

 あとグループでは「夢は諦めなければ必ず叶う!」を掲げている辻本くんが諦めることから始まる話を演じるのってものすごい因果だなと思ったけど、今思うとそれも意味が感じられるというか。グループでそう掲げている人だからこそ、でも諦めたってまた新しい道がある、やり直せるというまた別の希望を提示するのはなかなかグッとくるものがあった。

 

 こうして久々に生の辻本くんを見て思ったのが、この人って本当に良いとこが変わらないなぁと。魅力の芯?みたいなのがいつ見ても好きになり始めた頃と変わんないなって。まっすぐで熱くて素直で一生懸命というか。あと辻本くんの少年性がめちゃくちゃ好きなんだけど、あと3ヶ月で30歳なのにめっちゃ少年性感じる。本人見てその雰囲気でも思うし、文章も相変わらず小学生の作文みたいだし。でもめっちゃ気持ちがストレートに伝わってくるから大好きな文章なんだけど。

それが無理して若作りしてるわけでもなく、可愛い子ぶっているわけでもなく(むしろ可愛い子ぶるの死ぬほど苦手なタイプだが……)、でも天性の末っ子気質ゆえか自然に振る舞っているだけで愛嬌と可愛げが相変わらず凄まじい。

 ちなみに最近めっちゃ好きなツイートはこれ。情緒がめちゃくちゃで笑う。

 

 あと千秋楽後の本人のブログで衝撃の事実が判明する。

その結果少しずつカタチになってきたな、、と思った矢先に僕がバレンタインデーイベントで、この舞台1518の告知を映え映えの雪山で撮ってたくさんの人に応援してもらいたいなと思って✨


なんか少しでも告知だけじゃなくて楽しい動画を🔥
という僕のモットーから、元気よくそりで滑り落ちてたら、コースアウトして支柱に顔面から突っ込んでしまって、鼻の骨が折れるという😇

(中略) 

立場もあるし、みんなに変な気を遣わせたくないから絶対に言えないと思って、みんなには舞台が終わるまで隠しきってやるぞと思ってやり切りました‼️

 

おれ、えらい(o^^o)笑

舞台1518 千秋楽 fromつーじ | BOYS AND MENオフィシャルブログ Powered by Ameba

  舞台直前に鼻の骨折ってたんかーーーーーーーーーーい!!!!!!さすがに爆笑した。わんぱくボーイすぎない?なんかこの感じもめちゃくちゃ辻本くんらしいエピソードで心が温まった。あと積極的に自分で自分を褒めていくスタイルも好き。いや本当辻本くんって魅力が変わらないなあ……。だからこそ何やかんや3年半以上も好きだし、結局まだ辻本推し続けるわという結論になった。何か別界隈に浸かったからこそ、辻本くんからもらえる楽しさは辻本くんからしかもらえないということを"理解"らされた感じがある。舞台見ている間なんか「あっそっか……」って本能で理解した。これが1番の収穫だった説ある。声優さん応援しててもそこでしか味わえない楽しさあるから、やっぱ両輪でオタクやっていこうと思った。

 

 てかわたしにまだ辻本くんに対してのクソデカ感情ブログ書けるだけの力が残っていたことにびっくりだよ!!!今まで別に俳優としての辻本くんはそんなに興味ないと思ってたけど、結構舞台は相性良いんじゃないかって思ったし、もし俳優業へのモチベーションがあるなら応援したいなと思う。

 

総括

 長々と書いたけど本当に見に行ってよかった!!!!辻本推しだから辻本くんの話しかしてないけど、他のキャストもみんな良くて。原作読んだときに結構みんなキャラビジュ違うんだなーって思ったけど、でも原作踏まえた上で舞台を観劇してもやっぱりこれはこれで全然ありだったし、舞台ならではの良さや魅力が感じられた。

 正直原作で言うとこれからドラマが加速していくところで終わっているので、ぜひまたこのカンパニーで続編があってほしいなと思える作品だった。初日見終わったときは「辻本推しだからこれ楽しいけどそうじゃない人どうなんだろ?」って思ってたけど、原作の相田先生がオタクばりかそれ以上にエンジョイしてたから何か安心した笑

 

 最後に、撮影可のシーンで撮れたこの写真で締めにする。このシーン撮影可にするのも演出うめえ~~~~~~!!!ってなって好き。

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