長文置き場

備忘録

約7か月ぶりに推しの現場に行った/バリパ東京感想

ここ2ヶ月ほど、ほとんどBLCDの感想記事しか投稿していないのだが、元はといえばアイドル現場の備忘録のために作ったブログだった。というわけで当初の目的だったアイドル現場の備忘録を書く。

この記事には、ボイメンバリパ東京公演のセトリのネタバレが一部含まれる。一部なのは全部を記憶できていないからで、全部覚えてる人いたら教えてほしいな……。

 

行く前

わたしはこの公演で推しを降りるかどうか決めるつもりだった。なぜならブログやツイッターでわかる通り、ここ数か月のわたしはすっかり声優オタクに染まってしまっているからだ。推しやグループの話をほとんどしなくなった。配信も片手ほども見ていない。このツアーの配信も1回も見なかった。

これは推しやグループに対して何か不満があったとかではなく、単純にわたしの心変わりである。言い訳しようと思えばいくらでも書けるが、一言で言えば心変わりでしかない。徹底的にわたしの気持ちの問題だ。

なので、この公演を見て推しにときめかなくなってしまったら、楽しくなかったらもう降りようと思っていた。過去にも数回これ見て降りるか決めようと思ったことがあるが、今回のは過去のとは比べ物にならないくらいガチで降りるか降りないかの境界線にいた。

 

セトリについて

神すぎない!?!?!?!?特に序盤とか神すぎて「どうしたどうした??????」と喜びを通り越して戸惑いでしかなかった。マジで文句をつけるところが好きな曲に限って2番カットされたことくらいしかない。いやその曲フルでやるなら他にフルやる曲あったやろ!!!とは思ったが、本当にそれくらいしかイチャモンをつけるポイントがない。

セトリ検索して知ってはいたものの、やっぱりLet's Goはポカーンとなった。3年オタクをしているが、今まで1度も生で見たことがなかった。れつごはサビ前の「世紀のビッグウェーブ 乗ってみようride on time「2人のストーリー今日が始まりさ」のほんちゃん→辻本くんの流れが大大大大好きなのだが、生で聞けてチケ代の元取ったわ……と思った。しかもちゃんと音程バッチリ合ってて心から気持ちよく聞けた。てかマジでこれ何で2番カットしたんですか??????????

序盤はそんな感じでアイドル感強めの曲で固めていた。もうマジでここが神すぎてふぉえば流れたときに、まだ始まったばかりなのに終わり感強すぎると思ったが、もうこれで終わりでも満足だよ……と本気で思った。

 

個人的にアイドル感強め系が好きなのもあり、序盤がわたし好みすぎてこれ最初がクライマックスになってしまうのでは……と思った。中盤以降は全部アツアツ曲(というかリリイベでめちゃくちゃ聞ける曲)で固めてくるんだろうな、と思ったら意外とそうでもなく。確かに中盤はアツアツ曲が多かったものの、終盤でレア曲含むバラードが続くので、全体的にすごく緩急があってバランスの良いセトリだった。

中盤だとサムライチョップがめちゃくちゃ楽しかったな~!サムチョの「どんなに便利な世の中だって タイセツな人に逢うためにゃ この足で向かう他はない」ってフレーズが、このご時世刺さりまくるしセトリ入り大正解の曲よね……。逆にセトリに入ってなかったら嘘でしょって思う。

今聞くと、もう今はタイセツな人に逢うためにこの足で向かうことが必ずしも肯定される情勢ではなくなってしまったけど、でもSNSや配信サービスがめちゃくちゃ発達して、幸せなことに会わなくてもエンタメを享受できる世の中になっても、やっぱり生には敵わんよなあとかそんなことを考える曲になったり。でもそんなことを差し引いてもむちゃくちゃ楽しい曲だった。

終盤印象的だったのはツクヨミ。これ生で聞いたことあったかなあ……。レア曲であることはわかる。でもン年ぶりに聞いて、めちゃくちゃ良い曲じゃねえか!!!ってなった。

 

正直ボイメンというかふぉちゅん全体的にそうだと思うけど、この情勢めっちゃダメージ食らってるだろうなと思った。ボイメンが得意とするのはコーレスを前提としたアツアツ系の曲で、そんな曲がセトリの半分以上を占めるような構成がスタンダードだからだ。コーレスを必要としない曲ってあるにはあるけれど数が多くないし、なかなかセトリに採用されない印象があった。

これだと得意の武器が使えないようなものだし苦しいだろうなと思っていた。でもそんな枷がある中でもめちゃくちゃ楽しいセトリで、何ならいつも通りの構成ができないからこそ見られるいつもと趣の違うセトリが個人的にはすごく楽しかった。やっぱり10年走り抜けてきたキャリアと経験値はダテじゃないなと改めて感じた。

あとボイメンの大型のライブって大体コントが挟まる印象だったけど、今回なかったの分曲がたくさん聞けて満足度高かった。純粋に「ボイメンのライブって楽しいなー!!!」と思えた。来て良かった。

 

それとみんな結構歌良くなってる……?被せが良いだけだよと言われてしまうかもしれないが、歌を聞いていて「ここキメのフレーズなのに音外してるな……」みたいなストレスがほとんどなかった。キメのフレーズはどこも気持ちよく聞けた。そこがすごく好印象だったなあ。

 

推しとわたし

ダメダメだった(わたしが)。

まずわたしにとってはペンライトと同レベルに必需品のオペラグラスを忘れた。家を出てすぐに気づいて、いつもならダッシュで取りに行っていたが、会社遅刻するのイヤだし今日はいいや!という気持ちの緩みっぷり。

それ以上に1番ダメだったのは、冒頭メンバーが1人ずつ順番に出てくるくだりで推しが出てくるところだけ完全に見逃したことなのだが……。ちょうどわたしから見て死角になる位置から出てきたっぽく、推しを探して気付いたときにはもうゆーちゃむが出てきていた。ダメダメすぎて爆笑した。

 

わたしこれでも本当に推し定点芸人で。大多数のオタクもそうだと思うがわたしも例に漏れず推し定点人間である。一瞬でも推しを見逃したら死ぬとくらいの気概で推しにむしゃぶりつくようにロックオンしている。どんなに遠くの席にいようとモニターも信用していない。モニターはずっと推しを映し続けてはくれないからだ。モニターで見るなら双眼鏡使う!というタイプだった。自分が見逃した瞬間に推しが最高の表情をしていたら悔しくて死んでしまうよね!だからがっついていた。

それがま~~~~~今回は全体的に見ていた。全然推しロックオンしていなかった。何ならよしぴめっちゃ見てた。吉原さんカッコ良すぎないか!?手足の長さを振りかざすようなダンス超カッケェ。力入れるタイミングと抜くタイミングがわかってる人の動きがカッコ良すぎる。あと歌も超上手いし、よしぴのギャグセンくっっっっそ好きなのよな。オッス!オラ野沢雅子!がツボに入りすぎて死んだ。

あとゆーちゃむも目を引かれた。"アイドル"というものがわかっている表情の作り方、完璧。もう一挙手一投足ごとに天才ポイント荒稼ぎしていくのよな。「これで31歳か……ウソじゃん……」って思ったんだけど、よく見るとやっぱ確かに30代だわって思うのね。それは無理した若作りじゃなくて、30代だからこその20代にはない大人っぽい綺麗さを感じるという意味で、本当に天才だなあ……となった。

この2人は自然を視線を吸い寄せられるという意味でよく見ていた。

 

とはいえ推しも含めてほとんど全体的に見ていたと思う。今までフォーメーションが変わるたびに推しどこ!?ってキョロキョロしていたのが、今回は見えるところを見ようって思ってたし、モニターもよく見ていた。

何でこうなってしまったのか、1番有力な説が推しの髪型が全くわたしの好みではないから。別に似合っていないというわけではなく、単純にわたしのテンションが上がらない。ので他メンをよく見ていたんじゃないかと思う。途中で流れたナゴドのときの推しビジュアルめっっっっっっちゃ好みでこの頃が恋しくなった。

あとMC中に話を振られて「オンラインライブをたくさんやってきたけど、こうしてお客さんのリアクションが見られる場でライブをやれるのはすごく楽しい(超意訳)」というようなことを言っていて、メンバーからめっちゃ素直じゃん!とか握手会もこれがいい~~!!!とツッコまれていたのは良かったしオタクとしても嬉しかった。デレだった。

 

総括(という名の自分語りコーナー)

降りるか降りないかで言えば降りない。でもオタクは一旦やめる。オタクをやめてファンのポジションになろうと思う。今までみたいな熱量で推すことは(現状)できないけれど、かといって完全に彼らのことを追うのをやめることもできない。

ライブはすごく楽しかったし、客降りできない分ステージ上でメンバーがやたらわちゃわちゃしていたのはめちゃくちゃ良かった。セトリは神だったし、ボイメンってみんな違ってみんな良いなと思ったし、やっぱりライブってとてつもなくエネルギーをもらえる場だと実感した。

でも何かを失ってしまった気がして仕方がない。オタクとして角が取れてきたというか。一瞬でも推しを見逃したら死ぬと思いながら血眼で推し定点をしていたのが、推しが見えなきゃ他メン見ればいいやと思うようになり、肉眼でも見えるのにモニターの方が見やすいからとモニターを見たり、それはそれで結構エンジョイできたり、ウインク1つで天にも昇るほどブチ上がっていたのが、「ウインクだ!」くらいな感じになったり、とにかくがむしゃらさがなくなった気がする。

熱量が0になったというより、最大出力が下がった感じ。今まで現場に行けばメーターの上限をぶち壊してそれ以上にハイになれたのに、今は上限100のうちの80くらいしか出力できない。でも一応80は出力できるのだ。10や20じゃないから現場に行くことをやめる気は起きない。とはいえ80の出力なんて推し以外の現場でも余裕で出せる数値だ。

今まで推しのことは他の何よりも最優先すべき事項だったのに、今や数ある好きなものや人の中の1人で、最大のハイを得られるのは推しの現場しかないというわけではなくなった。他に追いかけていて楽しい人やコンテンツを知っていくうちに、自分の中で推しの特別性、唯一性がどんどん薄くなってしまったんだなあ。

結局声優界隈にいたところで、推しほどに時間と金を捧げて熱中できるような人を見つけられてないから、そういう意味では推しの存在は特別で唯一なのだが。

 

何か誰かのオタクになって熱中して自分を見失うのが怖くて、現場がなくなり金をアホみたいに遣わなくて済むことに心地よさを感じているうちに、誰に対しても何に対してもほどほどで一線を引き続けているうちに、メーターの上限を壊すような熱量の出し方を忘れてしまったのではないか。あれだけ単推しはイヤだ複数推しになりたいと言っていて、実際そうなってみると*1何かを失ってしまった感覚がすごくある。でも失ったものを取り戻したいとめっちゃ渇望するわけでもなく。取り戻せたらいいなぁくらいのぼんやりとした感じで。

いやでもあと1回くらい無茶なくらい誰かに金と時間を注ぎ込みたいかなあ。でもそういう出会いって自分から探すものじゃなくて、しかるべきタイミングで向こうからやってくるものだと思っているのでその機会を待つしかない。

 

というわけで長々と書いたが、オタクをやめてファンになるという結論に至った。といっても別に何が変わるわけでもなく、これからも行きたい現場に行き見たいものを見る。ただこれまでのような自分に対しての投資や他のコンテンツへの課金を差し置いて、何が何でもボイメン優先というわけではなくなるだけだ。

 

最後に

みんなの話の中ですごく印象的だったのは、後半のMCの勝さんの言葉だった。細かい部分まで正確な自信はなくニュアンスになってしまうが、大まかにこのようなことを言っていた。

「コロナ禍でみんな辛いことやしんどいことがあったと思う。僕たちも人間なので、辛かったりしんどかったりした。でも自分のペースで生き抜いていきましょう。そしてみんなの人生の中にボイメンがあったらすごく嬉しいです」

確かこんな感じだった。これを聞いて今の彼らだからこそ言えるメッセージなのだなと思った。ほとんどのメンバーがアラサーであり、30代に突入したメンバーもいて、年齢的にも100%がむしゃらに根性で頑張ってみたいなノリが丸くなったのもあると思うし、ここ1年くらいがむしゃらに突き進むだけではなく、足を止めて休むことの必要性だったり、個人の努力や根性ではどうにもできない未知の脅威の存在に直面していたからというのもあると思う。

とにかくすごく柔らかなメッセージだなと思って心に残ったし、こういうことが言えるグループって良いなあと思った。くどくどとわたしが心変わりをしてしまったことについて書いたのだが、ボイメンが年々進化を続けているとっても素敵なグループであることは事実なのだ。それを実感できて本当に良かった。

 

とにもかくにも10周年おめでとうございます!

あと10周年写真集の発売もおめでとうございます!買います!あとけんちゃん夢が叶って良かったね!!!!平松編集長の作品を楽しみにしています。

*1:実際複数推しというより、推し+推し以外の好きな人たちという感じだが