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Crystal break

平成ライダー沼に足を取られてしまった人間のブログ

S&Mシリーズ(1~5) ネタバレあり感想

タイトルには1~5って書いてあるけど、実際はすべFアニメ+冷たい密室と博士たち封印再度の5本立てです。ネタバレありです。

 

すべてがFになる

 

ノイタミナで原作ありのミステリーものと聞いて僕だけがいない街と同じようなノリだと思っていたんですが、実際は全然違いました。作者が違うから当然の話なんですけど。僕街が毎回毎回手に汗握るジェットコースター的展開なら、こっちは船で海の上をぷかぷか漂っているようなそんな感じでした。話の進み方もゆっくりだしすごく淡々としていました。

正直理系の女子大生と先生が20分強ちょっと鼻につく雑談しているだけの1話は見ていて心折れそうだったんですけど(さすがにあの1話は視聴者をふるいにかけすぎだと思う…w)*1、事件が起こってからは結構サクサク見られます。とはいえ全体的に淡々としていますが。

 

このアニメは身も蓋もないような言い方をしてしまえば「天才の思考はよく分からない」アニメで、トリックは本当にあっと驚くような衝撃的なものだったんだけど、それ以上に真賀田四季が最高に謎でした。アニメを見ていると天才キャラはよく出てくるけど、天才の思考は凡人には及びもしないとこんなにも思わされたことはなかったし、そういう意味で天才のキャラ造型がすごく上手いと思いました(小並感)サイコパスとは違う意味で、純粋に思考回路が理解不能でした。終盤の犯人と犀川先生の会話シーンの独特な雰囲気が好きなんですが、言ってることは1mmも分からないですしね!

 

ここからはあっさりめの原作レビューです。

 

冷たい密室と博士たち

冷たい密室と博士たち (講談社文庫)

冷たい密室と博士たち (講談社文庫)

 

 

 こちらが本当の処女作ですね。すべFと比べると普通のミステリーだなあという感じでした。封印再度まで通して読んでもこれが1番印象が薄い…。でも動機は1番腑に落ちたかな。このシリーズってそもそも犀川先生が動機に興味ないので、そういう意味でもあまり重視されていないし、これ以外は動機がよくわからないもの多いので…。

それと最近読書してないのとバリバリの文系なので、研究所の描写が本当にピンとこなくてそこで苦労しました…。建物を把握するのも苦労するなんて自分の読解力の低下ぶりに驚きました。

あとこの巻に出てくる犀川先生の親友の喜多教授が良かったですね。天才同士なのに中身は普通の友達同士で、犀川先生にもこんな砕けた感じで付き合う人がいるんだなあと思いました。

 

笑わない数学者

笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE (講談社文庫)

笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE (講談社文庫)

 

 

これレビューで「トリックが序盤でわかった」とか「作者もあえて簡単なトリックにした」というのをよく見たので、全く分からなかったらどうしよう…と変な不安を抱えながら読んだのですが、オリオン像の消失トリックは漠然とわかりました。何かダンガンロンパで同じようなネタ見たことあった気がする。でもこれが殺人のトリックにもそのまま使われていることまでは想像できなかったけど!

トリックは易しめだし「もう解決だな」と思ってペラペラページをめくっていたら、最後の最後で裏トリックが出てきたのには本当に驚きでした!しかもこっちのトリックは作中で解答がなくて、読者の推理にお任せという…。でも他の人の感想を見たらどうやらタイトルがヒントになっているらしく、なるほど…と思わされました。でも再読して自分なりの解釈を出してみたいです。

それにしてもクリスマスイヴに2人で一緒に過ごしてるなんて普通に良い関係だよなあと思います。少なくともただの先生と生徒の関係じゃないぞ!

 

詩的私的ジャック

詩的私的ジャック (講談社文庫)

詩的私的ジャック (講談社文庫)

 

 

タイトルがすごくオシャレですよね。日本語の題も良いけど「Jack the Poetical Private」って英題もめちゃくちゃ良い。

タイトルに「詩的」と入っているだけあって、この話は文系要素が強い気がしました。トリックは相変わらず理系&建築ベースなのでよく分からないんですけど!この巻だと途中で犀川先生が海外出張に行ってしまって出番がぽっかりなくなってしまうので、代わりに萌絵の学園生活がメインになっていました。大体犀川先生と萌絵と事件関係者のやりとりだけで進んでいくので、学園生活を送っている萌絵はとても新鮮でした。

あとこれは犀川先生と篠崎の「愛しているんだ」「英語で言える?」がめちゃくちゃ秀逸でしたね。最初読んだときは「は?」と思ったんですが、最後まで読むとうわああああああ!!!!ってなるやつです。こういうところが日本語の良いところだよなあと思いました。

全体的には至って普通のお話といった感じで、こんなノリが続いたらマンネリ感じそうだなあと思いました。思いました!!!(封印再度へのフリ)

 

封印再度

封印再度 (講談社文庫)

封印再度 (講談社文庫)

 

 

まず何と言ってもタイトルの秀逸さ。日本語と英語で音が同じというだけで上手いなあと思ったんですが、どちらもこの話の中身を象徴してこれ以上ないタイトルだと思います。

この作品はシリーズの中でも特に人気が高かいそうなのでワクワクしながら読んでいたんですが、血液の病からの件がすごすぎて本筋の事件が全く頭に入りませんでした!

長いことラブコメコンテンツに触れていなかったので、こういうのに興奮してしまう心が自分に残っていたことに謎の安心感を覚えたのですが、とにかくすごかったです。犀川先生が萌絵との結婚を聞かれたときに露骨にはぐらかしたな…と思ったら、萌絵の病(嘘)を知らされた途端、キスして婚姻届持ってくるなんて大胆さを誰が想像できますか!?今まであんなにはぐらかしてたのに!?しかもあの後は萌絵と結婚するの?って聞かれたときに「します」って言ってるし、犀川先生本当に男すぎる…。普段分かりやすく態度とらないけど、犀川先生萌絵のことそんなに大好きだったんだなあ…。

あと萌絵の犀川先生がクリスマスにひどいことしたっていうのは待ち合わせの件じゃなくてそういうことだったんですね…。でも今までの犀川先生の描写的に、キスの時点で犀川先生にもキスをするという概念があったんだ…と驚きすぎて呆然としたので、実際に事案があった方が腰抜かすなあw

それと森先生の文章とか考えって浅慮な私には分からないことが多いんですけど、この本に出てくる「日本人は綺麗な夕日を見てああ死にたいって思うんだ」って文章はすごく好きです。

事件の話全くしてないんですけど、この話はもうとにかく2人のラブコメが最高でした!「今はもうない」まで読み終わったんですけど、2人の関係の進展はここが1番絶頂だったんじゃないかと思います。まあ婚姻届なんて出されたらこれ以上どうしろと…みたいなところはありますけど。

 

*1:アニメ見終わってやっとこの2人のやりとりが少し恋しく思えた