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平成ライダー沼に足を取られてしまった人間のブログ

小説 仮面ライダー鎧武 感想

 

小説 仮面ライダー鎧武 (講談社キャラクター文庫)

小説 仮面ライダー鎧武 (講談社キャラクター文庫)

 

 

読みました~~~!!!!

小説鎧武は鎧武外伝2以来の新しい鎧武の物語ということと、書いているのがニトロ陣とライターを本業にしている方たちということでとても期待していました。

見事に予想を裏切らない面白さでした!!!!

キャラのセリフを読めば脳内で音声が再生されるし、テレビ版と比べて「成長したんだな…」と思える部分も多々あり、ワクワクがいっぱいの作品でした。

あと地の文が上手いです。小説読んでる!!!!って感じします。小説版ライダーって脚本家が書いていることが多いので、「地の文はアレだけど内容に免じて許す…」みたいなこと多いんですが、鎧武小説だと全然そんなことなくてとても読みごたえがありました。本当に文章が綺麗にまとまってる。

 

あらすじとしては帯に書いてある「忍び寄る悪の影『黒の菩提樹』。彼らの目的は、そしてその黒幕は――――!?」の通りで、外伝2では全容が明らかにされなかった黒の菩提樹、そしてそのトップである狗道供界の目的に迫っていくという話で、ナックル外伝の更に後日談となります。

なので、前提として本編+フルスロ+鎧武外伝2は見ていないと話についていけないことになりますね。

本編の内容を受けた描写も多くて、特にミッチは本当に成長が分かりやすく描かれていると思いました。最終回微妙な雰囲気だったミッチとペコの関係のその後についても触れられています。ミッチファンなら絶対に買いです。もうこれミッチが主人公だよ!

それで当然メインは本編鎧武生存組で、紘汰さんや戒斗ファン(特に戒斗)にとってはちょっと物足りない内容かもしれないです。本当にちょっとしか出番がないので。とはいえ、2人が築いた関係や絆を思い起こさせる出方ではあるので、やっぱり推しが誰かを問わず、鎧武のファンならぜひぜひ手に取っていただきたい一冊です。

 

 

ネタバレなしの感想はここまでで、以下ネタバレオンステージ!

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 正直、結構中盤までそこそこ面白いけど何か普通だなーって思ってました。

 もちろんギャングに追い詰められていたところをミッチに助けられて、そのことに対してペコがぎこちないながらも「ありがとう」と言ったり、ギャングについて情報収集するために潜入捜査をするときにチャッキーを差し向けることについてためらうミッチとか(前のミッチだったらためらわない)、そういう変化については「ミッチも成長したんだね…!」と楽しく読んでいました。

でも、本編で世界が云々と言っていたのと比べると、ビートライダーズの街の事件の調査パートってどうもスケールが小さいなあとか思ってたんですね。これもずっとチーム同士で抗争していたのが今一致団結しているという点ではこれもまた成長ポイントであり見どころではあるのですが。何かこう鎧武特有のこじらせた中二オタク感がないぞ…というか。これじゃ普通に爽やかな物語じゃないか!という。いや爽やかな物語最高ですよ!?

 

でも、呉島兄弟が凌馬の映像データを開いて凌馬から供界の真相を語られるあたりから俄然面白くて前のめりになって読んでました。ここから中二度が加速度的にアップするからな!!!!!

『やあ。このファイルにアクセスしたということは、狗道供界がまた現れたのかな?』

『この動画を見ている君はいったい誰かな?光実くんか、もしかしたら貴虎か……ま、どっちでもいいか』

 って映像で登場するところとか凌馬の声で脳内再生余裕すぎて笑った。それにしても用意周到にこういうの用意してるあたり凌馬らしいよなあ。それで何だかんだ万が一でも自分が死んだときのための準備しておいたのね。

本当は鎧武小説は後日談じゃなくて本編再構成ものにしてFate/Zeroの聖杯問答よろしく、何ページにもわたる凌馬のオタク語り、演説を書いてほしかった!と思っていたので結構満足できました。『ねえ、ここでいう神の定義ってなんだと思う?』とかこっちが楽しくなった。

あとこのシーンだと凌馬に供界はオバロだと説明されて舞のことを思い出すミッチのモノローグがめちゃくちゃ好きで。

 「彼女のことを思い出すたび、光実の胸はいまだに締め付けられるような痛みを感じる。それは生涯変わらないだろう。いや、変わってはいけないのだ。それこそが自分の背負った罪なのだから」

って、変身する=新しい自分に変わるということがテーマでもあった鎧武において変わってはいけないこともあるという描写がされてたのが本当にグッときた。それでその後に

 「そして何度でも誓うのだ。舞と紘汰、二人から託された世界を守るのだと。本物のヒーローになるのだと。それだけが自分にできる唯一の償いなのだ」

ってセリフが来るのも良いですよね。それでここがミッチが1話と比べて変わった部分なんですよね。変わらずに背負わないといけない罪を変わることで償うっていうね!本当に小説で1番ここが好きかもしれない。

 

それで供界のラストバトルは凄かったですね~!

アンリマユに飲まれたかな?みたくミッチが幻に飲まれたり、並行世界が出てきたり「そうだよ…鎧武これだよ…このアニメ感だよ!!!!!!」ってめっちゃ興奮しました。

で、その並行世界の中でクウガからドライブまでの敵やライダーに対しての言及があってうおお!!!!!!と思いました。そしてその中のイレギュラーとしてのも や し !!!!

読んでるときは「通りすがりのライダーってもやししかいないけど、これ本当にもやしかな?」と思ったんですが、これまでの歴代の敵やライダーに触れている文章でディケイドの言及がなかったのでイレギュラー登場ってことでいいのかな?本当に贅沢な小説だ…!まさかの手助けすぎる。

 

エネルギー体になった供界の世界で、何回何十回何百回撃破したか分からないくらい死闘を繰り返し続けるっていうのも本当に燃えなんですが、この突破の仕方が本当に激熱すぎてなあ…!

鎧武ファイナルのステージショーで、アーマードライダー全員が一列に揃い踏みして名乗りをしていったシーンが本当に死ぬほど燃えたんですけど、それに勝るとも劣らない燃え展開だった。 みんなの思いが戒斗たちの加勢を呼び寄せたっていうのなあ…めっちゃ燃えだ!この展開は映像で見たいよ本当に!

で、最後には紘汰さんがやってくるんですけど、思わずミッチと一緒に「紘汰さああああああああああああん!!!!!!!!」って叫んだよね。しかも神様になっても普通にいつも通り変わらずみんなに接しられてるところとか見るともう…。

紘汰が供界に向かって「なあ、あんたが本当に救いたかったのは何なんだ?」「あんたが本当に救いたかったのは世界に融けて消えちまった自分自身じゃないのか?」って問いかけるところは、ちょっと切なかったですね。本当は誰が救われたくてって供界のような悪役のキャラに限らず、多くの人々の救済や世界平和を掲げるキャラにはつきものな問題だからなー。

一旦は人間を超えた自分に全能感を覚えながらも、結局のところ、鋼屋さんの言葉を借りれば、救済者なんてそんな大したものじゃなくて戦極凌馬に人生を狂わされた奴*1でしかなかったんだなーと。

こういうところも含めて小説でも鎧武らしい話だったな。

 

ファイナルのステージショー、フルスロ、外伝ともう本当に終わりが綺麗にまとまっててこれ以上後日談いらなくない…?と何度も思わされながらも、そんな気持ちを鎧武は何度も覆してくれましたが、この小説もその通りの大満足の出来でした。鎧武の派生作品ってどれも後日談として優秀すぎるくらいなんだけど、そのどれもが蛇足じゃないの本当にすごいよね。

もうこれで本当に鎧武の物語は全て終わってこれ以上の展開はないとは思いますが、改めて鎧武に関わった人たちに感謝感謝です。まあ欲を言えばこれも映像化してほしいー!!!って思いますし、シャルモン組を主役に据えた鎧武外伝3発売してほしいけどw

とにかく本当に面白かったし、また本編を見返したくなるような話でした!!!ありがとうございました!!!

*1:東映ヒーローMAX vol.52での対談より